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「着いちゃった」


コンビニ前で一人呟きながら携帯片手に辺りをキョロキョロと見渡す。


まだ飛翔くんは来てないようだ……


携帯を開くと、新規作成ボタンを押し、真っ白い画面を暫く見つめてた。


いつもメールのやり取りしかできないあたし達。


いつしかそれが当たり前で、電話することなんてなかった。


飛翔くんからかかってきたのは、お店に来た最初の日だけ……



そもそも疑うことはしなかったのか？だなんて思うけど、きっと、あたし達が繋がれているものはメールだけだったんだなと思う。



暫く見つめた真っ白い画面を〝切”ボタンで消すと、あたしは電話帳で飛翔くんの名前を探す。




それを見つけてボタンを押すと、呼び出し音が鳴りはじめた。


まだ声を聞いてないっていうのに、もうあたしの鼓動はどんどん加速し始める。



「はい」


そう出た飛翔くんの声は凄く懐かしくて……


だけど、電話から聞こえる声は普段の声よりも低い。


それでも、その声が聞こえてきただけで、凄く愛おしくて携帯を強く握りしめては、あたしは重症なところまで行ってしまったのかもしれないと思った。



「着いたよ」


「着いたか、てか、マジ焦った！！流奈が電話してくることなんてないから、マジびっくりした！！」


その言葉を聞いているだけで、飛翔くんが喜んでいるのが伝わってくる。


なのに、なんだか一瞬で苦しくなった。