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たかが電話……
電話しただけなのに、それはあたし達には凄く幸せなことで
普通のことが普通ではない。
そんな関係だったことを電話1本で感じてしまう。
「………てる?」
「え?あっ、ごめん。もう1回言って?」
「だから、そのコンビニを下って2本目の路地を曲がって?俺はそこにいるから」
「分かった、ごめん」
その電話を切ったあと、大きく息を吸い込み吐き出した。
もう、近くに飛翔くんがいる。
考えるだけで今更、躊躇している自分がいて……
「よし!!」
そう意気込みを入れながら飛翔くんのいる場所へと向かった。
路地を曲がった瞬間に見えてきた飛翔くんの白い車
その車の後ろに自分の車を停めようとすると、運転席のドアが開いて、車をおりてこっちに向かってくる飛翔くんの姿があった。
狭い所で縦列駐車しゅなきゃっていうのに、飛翔くんの姿が見えた瞬間、テンパって上手く停められないあたし
そんなあたしを見て笑ってる飛翔くん
あのメール以来だし、どんな顔をして逢えばいいのか、なんて考えていたことが無駄になったくらい、飛翔くんはいつもの笑顔であたしを迎えてくれた。