あたしは、キミに恋をしました
あった・・・病室509!

『朱音、ちゃん?』

「みーちゃん・・・」

病室の前には、スーツ姿の朱音ちゃんの姿があった。

たぶん、就活してたんだと思う。

『あの、啓ちゃんは・・・?』

「うん・・・今日が山だって・・・・」

『うそ・・・』

「馬鹿よね。昔みーちゃんにもらったストラップをなげられて、そのストラップおいかけてそれで・・・」

え・・・だって、啓ちゃん、あたしのことなんか・・・

「嫌いじゃないよ」

・・・。

なんであたしのまわりには、エスパーが多いんだろ。

「啓、みーちゃんのこと思ってやったんだって。それこそ啓は、みーちゃんが晴輝クンのこと好きだと思ってるのよ?」

うそだうそだうそだ・・・・

啓ちゃんはあたしのためにしてくれたのに、あたしは・・・・

『あのさ、中に入って大丈夫?』

「うん。大丈夫。てか、入ってやって」

朱音ちゃんらしい言い方だ。

カラカラ・・・

あたしがスライドドアを開けると、何本ものチューブがつないであるなかに、啓ちゃんの姿があった。

『啓ちゃん・・・』

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ・・・

答えるわけ、ないっか・・・

あたしは啓ちゃんの手をとった。

『啓ちゃん、あたしね、啓ちゃんのこと大好き。晴輝は、友達・・・・ううん、親友だよ?だから、心配しないで。あたしはさ、ずっと啓ちゃんに守ってもらってきたよね?だから、今度はあたしが・・・あたしが・・・ふっ・・・あたしがね、啓ちゃんを、守るからね、だから、早く起きてよ・・・・また笑ってよ・・・』

病室に、あたしの声と、機械の音だけが響いていた。








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