君のいない世界...
俺の頬に涙がつたう。
愛しい彼女と逢えなくなる寂しさと
今までの思いを伝えられた達成感。
それらの思いが俺の頬を濡らした。
卒業式で一筋も涙を見せなかった彼女の
頬も濡れていた。
どんな思いが彼女を涙させたのか
俺にはわからない。
「もう会えなくなるからさ。2年間の思いを伝えようと思って。」
これだけ言うのがやっとだった。
「じゃあ。ばいばい」
何も言わない彼女を1人、
思い出の教室に残し
俺は学校を後にした。
俺の机の隅に、彼女宛に書いたメッセージを
彼女が読んだのか読んでないのか
知る必要はなかった。