黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ






〝明日この間の場所で待ってる〟



―――あの伝言は、私だったのか。

この間の場所ってことはあそこでいいんだよね。





「この間の場所って、どこだ」


「知らねえよ。
手紙に書いてあったような気がするけど、くだらなすぎて途中で読むの止めたから覚えてない」


「そうか…。
じゃあ、なんでそのことを俺たちに言わなかった」


「どうせ行かないことを話す必要ないだろ」


「だけど…。
いや、なんでもねえ。
明日はいくのか?」


「行かねえ」





………そう、私が答えるとホッと肩を撫で下ろしたみなさん。





「月夜さん、疑ってごめんなさい…!」


「いや、…大丈夫だから気にすんな」


「でも…っ」


「だったら、ジュース一本奢って。
それでいいだろ?」


「は、はい!
是非っ」





これで、一件落着、かな?


さて、そろそろ…。






「俺帰るわ。
今日疲れたし」


「うん!」


「……送る」


「「「……は?」」」






送るって言ったのは、……海翔。


な、なに言ってるの、海翔さん。





「いいから。
行くよ」





唖然とするみんなを置いて、私は海翔に強引にひっぱられ倉庫の外へ出た。





‐作者から‐

またまたですが、節のタイトル変更しました。


《黄狼との接触→静鬼の兄》






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