黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「じゃあ、私そのお客さんとお話したいなぁ?
お話しに来たんでしょ?
なら、私も話してもいいわよね」
「だめ。
兄さんに話しに来たんだ。
真那さんじゃない。
だからだめ」
「……。
いいから退きなさい」
「やだ」
「翔也、お客さんってだれ?」
「兄さん、言うな…っ」
「あの優鬼だよ。
新入り幹部の」
「…!
ますます会ってみたくなっちゃった。
見せなさい、海翔」
「兄さんっ!!」
うわわ、なんか空気が……。
海翔は怒ってるし、真那さんも真那さんで怒ってるし。
翔也に至ってはこの状況を楽しんでるのかヘラヘラ笑ってやがる。
ジロッと翔也を睨むと、それに気づいたのか私に寄ってきて……。
「真那と海翔の喧嘩がこれ以上長引くと俺つまんないんだよね。
それに真那の機嫌取りって大変なの」
耳元で小さく呟く。
「だからさ、真那に会ってやってくんない?
腹へったでしょ?
真那にケーキ買ってきて貰ったからみんなでお話しながら食べようよ」
「俺はいいけど、海翔………」
いまだに言い争ってる海翔を見やる。