黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
バンッと勢いよく開いたリビングのドアから、すごく綺麗な女の人が現れた。
ふんわりした茶髪に、真っ黒な澄んだ瞳。
気の強そうな感じの少しつり上がった眉。
「真那!
おかえり」
「ん。
で?
お客って?」
こちらに目を向けようとした真那さんから、私を庇うように立った海翔。
体格が私の倍以上大きい海翔が前にたてば、私なんてすっぽり隠れてしまう。
「海翔じゃない。
なにを隠してるのかしら?」
「さぁね」
「海翔の後ろにいる子、お客さんでしょ?
せっかくのお客さんをもてなさずにどうするの。
失礼じゃない」
「…少し話しに来ただけだし。
ここに長居する気はないし。
だからもう帰んの」
海翔と真那さんの言い合いにただ私は呆然とするだけ。
私はどうすればいいんだろうか?