黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ








前々から一緒にいて、絆の強かった暁たち六人。


その六人の中に、途中から割り込んだ…、私。



一緒にいる時間は、ほんの僅か。

まだ、半年ぐらいしか経ってはいない。



私と暁たち六人の絆は、無いに等しいくらい細く弱いもの。

ちょっとでも衝撃を加えたら、切れてしまう。



そんな、関係。





「そうかもしれないな。
俺たちは月夜の事、信じてるつもりで信じていなかったのかもしれない」


「…………」


「けど、それは月夜が何者がわかんねえから、信じたくても簡単には信じられなかった。

でもそれと同時に、もっと月夜の事を知りたいって気持ちも強まった。

だから、航太に調べるように頼んだ。

月夜本人に聞く手もあったけど、見るからに言うのを嫌がりそうだし、実際答えを曖昧にして答えてくれることはなかった」





暁の真剣で力強い声。


信じてなかったのは確かだ、と認めた。

けど、ただ知りたかったのだと、言ってくれた。


それは、傷ついたのと同時に、嬉しさもこみ上げてくる。







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