黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ






でもその嬉しさも。


うけたショックがあまりにも大きくて、すぐに埋もれて無くなってしまった。





「月夜は、どうして曖昧にしたりして答えなかったか、その理由は簡単だ。
―――知られたくないから、それだけ。

誰にだって知られたくない秘密は1つや2つある。

お前らにだってあるはずだ。

なのに、なぜ月夜だけ秘密を明かさなければいけないんだ?

そんなの不公平だと思わないのかよ」






理人の怒りはおさまることを知らず。

口調も戻らない。






「不公平……?
友達の、仲間の間に公平でいることは必要なの!?

友達なら、仲間なら、素直に知りたいと思ったら聞くのが普通でしょ?」


「必要なときもあるんだよ!!
さっきも言っただろ?
月夜や俺たちが隠してることは軽いもんじゃないと。
一度聞いてダメなら諦めればいい」


「諦められないよ!
仲間のことは知りたいと思うのは当たり前で…っ。
でもそれは、一方的にじゃなくって、お互いに教えあうものでしょ…?!」






理人の言ってることも、咲希斗の言ってることも、両方わかる。


どっちがあってるかなんて、そんなのわからない。

てか、正解なんてもともとないけれど。







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