そして、今日もキミを想う。【完】

男が、忙しく店内を駆け回る寿々歌に近付く。
すると寿々歌は忙しなく仕事をこなしながら男を注意した。

「もう、啓太ったらそっちから入らないでって言ってるでしょ?」

啓太……?

俺の頭の中はさらに謎が巡る。
そういうことなのか?
頭を抱え込み必死で謎を解こうとしていると、男が俺の方を見た。

「大悟?」
「説明しろよ、啓太」

この男こそが最大の親友であり、憎き相手である男だった。
あの卒業式の日、寿々歌と結ばれた啓太であった。

< 9 / 113 >

この作品をシェア

pagetop