お伽話
後ろから名前を呼ぶ。
そうすれば、サンはルナに目を向ける。
「ここ・・・。」
「・・・初めて会った場所。」
「そうね、もう一ヶ月が過ぎたのね。思えば早かったわ。」
「・・・ルナ、・・・・ありがとう」
「・・・ふふ、いきなりどうしたの?」
思わぬ言葉に胸が疼く。
「俺は記憶が無い。そんな俺を・・・ここに置いてくれて、
・・・・・・名前をつけてくれて、」
嫌な予感がした。
「ここを出る。」
「!!!、ど、どうして、もしかして記憶が・・・」
「いや、記憶はまだ・・・。
それに出るといってもすぐじゃない。」
「・・・・。」
ルナは納得のいかない表情を浮かべる。
「心配するな、今日は楽しかった。」
悪いが、もう休む。
そう一言だけ残し
サンは部屋から出た。
このとき、ルナは追いかけなかった。
すぐに出て行くわけじゃない
その言葉を信じて・・・・・
そして夜が明けた。