眠り姫~sleeping ready~
「今は陛下をなんと思っているか解りません…」

ヴァイオレットは時々レイをユウリと重ねていなかった

優しく、暖かい眼差しはヴァイオレットの深い闇に光をさしていた


「けれどもう陛下にはあえない…お妃様が悲しむわ…」


「ヴァイオレット様…」


「シーラさん…お願いがあるの」


ヴァイオレットは弱々しくシーラを見る


「足が治ったら私を城から出して…」


「ヴァイオレット様!?」


「何時までも過去にすがり付く私は陛下のそばにいてはいけないわ…」


レイとユウリを重ね見るヴァイオレット

いてはいけない存在だと釘をさされたヴァイオレット


記憶の欠片をそっと胸にしまい前を見る


……ユウリ様…


チクリと胸が痛み
ヴァイオレットは気を失った


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