白衣の天使
30分後、髪を拭きながらマリアが出てきて、やはり気になるのであろうか

「彼、私のこと何か言ってなかった?」

カトレアの正面の椅子に腰掛け、ひじをついて手を頬にあて、恋をしている様に目で母を見つめている。

「・・・何も言ってなかったわよ。ただ時計を取りに来ただけだったわ。」

純粋な目でマリアに見つめられ、カトレアはそう答えるのが精一杯だった。そしてそれを聞いたマリアは

「なーんだ。」

と、つまらなそうにふくれ、髪を乾かし始めた。
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