藤井先輩の私。
 
「おーい!橋宮!」


遠くから聞こえる声。

この声は…。

声のしたほうに振りむくと、梶瀬くんの姿が。


すっごく久しぶりだぁ。

高校卒業してからまったく会っていなかった。


学校も違ったし、卒業後の進路もまったく違っていたから。


でも周り女の子に囲まれていてこっちになかなか近づけないみたい。



「おいブス共、どけ」


教会にはふさわしくない言葉が耳に入る。


この真っ黒い言葉って…まさか。



「梶瀬広樹はあたしのもんだから、ブス共散りな」

すごい剣幕と、ドスのきいた声にビビって去っていく女の子たち。
というか、この子たちも新郎新婦の友人なのに…こんな…大丈夫なのかな、結婚式。


「え…江梨香ありがとなっ、助かったよ」

「こ…このくらいなんでもありませんわ」


つ…ツンデレ…。


「楠木さん、梶瀬くんお久しぶり!!」


「あら、橋宮さんと本宮じゃなくって?」

「久しぶりね楠木さん……てか、二人って付き合ってるの?梶瀬の趣味も変ったわね」

ユカったら。


「なんですの?その言い草わ」

「いや、梶瀬には楠木さんみたいな人が合うって思ってたからさ」

「そうですの?うれしいですわ」


二人の出会いは、大学のコンパだそうで、身近な二人がくっつくなんて、世間は狭いなぁって実感した。

そうそう、楠木さんのは、なんと……保育士です。

梶瀬君は体育の教師をしているみたい。

もう少しして、落ち着いたら結婚を考えてるって梶瀬君言ってた。


みんな幸せそう。
< 100 / 103 >

この作品をシェア

pagetop