浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報



「あ……」



紙の感触。薬局名が記載されてある白い薬袋が出てきた。そして中には大量の錠剤が入っていた。



あった!きっとこれが睡眠薬。あたしは1ヒート10錠だけを取り出して、薬袋を元の場所に戻した。


早くキッチンに行かなくちゃ!ロングワンピにはポケットがついていなくて、薬は手の中。これじゃ危険すぎる。あたしはブラの中に薬を隠して急いで部屋を出た。



「きゃっ……!」



今度は確実に悲鳴をあげた。空を裂くような雷の音、そして



「キッチンにも隣の部屋にもいないと思ったらここにいたんだ」



――無表情の大和くんが、部屋の目の前に立っていた。






< 262 / 347 >

この作品をシェア

pagetop