致死量カカオ

いっそ逃げるか……。

この教室4階だけど。死ぬまでには至らなさそうだし……?


いや、でも入院とかなったらそれこそ進級の危機!なんかもうどれをとってもいろんな意味で死しか見えないんですけど!


「おせえ。開けるぞ?」

「ぎゃーーーー!やめてくださいー!」


着替えさせてくれるのはありがたいんですけど!死が近づきますし、なによりまだ付き合って一日目でそれは早いと思うんです!


慌てて服を脱いで制服に身を包んだ。ああ、ネクタイがうまく結べないんですけどー。


ガタンガタンと服やら鞄やら机の上に置きぱなしにしてあった教科書が何度も床に落ちて、拾ったら頭を打って悶えて、を繰り返した。


動揺しすぎなのはわかっているけど、わかっていて動揺が収まるわけもない。


とりあえず最低限の身だしなみを整えて……そして大きく息を吸った。そして。


……まじか?


再度今置かれている状況を確認する、と。
えっと、さてどうしようか……。


一緒に帰るなんてシチュエーション生きている限りあり得ないと思ったからさすがにどうしていいのかわからない。


妄想でならおててつないで仲良く帰宅するんですけど実際にはどういうものなのだろう。

そもそも初めてから手をつなぐものなのか、それとも今の時代では初めての帰宅からキスなんかもしちゃうんだろうか。もしくは誰もいないおうちにお呼ばれしたりするのか。


「ぎゃあー!それはまだ!まだ私たちお互いのことをよく知り合ってからのほうがいいと思うんです!

まだお付き合い一日目ですし!まずご両親にご挨拶を!」
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