致死量カカオ

むうっと口をとがらせて明後日の方向を見ても高城は何も気にしないで私に足音を近づかせた。


そのままぐいっと私の頭を上から押さえつけて無理矢理視界を地面にさせる。

っていうか。


高城が私に触れてるんですけど!
その方が大問題なんですけど!


いや、それよりもあまりに力一杯押さえ込まれると首が痛いんですけど……。


そのまま二人で並んで歩く。
何一つ会話をしないまま……。


なんだろうこれ。

一緒に帰るってこういうこと?会話ができないから隣歩けとか言っておきながら何一つ会話なんかしてないんですけど。


夢にまで見たシチュエーションだって言うのに、現実味がないのは私がずっと地面を見ているせいだろうか。


さっきまで胸がばっくんばっくんして腹痛まで起こしていたのに、今は逆に静かすぎて気持ち悪いくらいだ。


ちらっと地面から視線を隣の高城に移してみた。

のぞき見するくらいならきっと大丈夫。今までだってのぞき見ばっかりしていたんだから。


隣を歩く高城はやっぱり高城で、隣にいる事実が信じられなくてこれってやっぱり夢なんじゃないかと思った。


夢じゃなかったらおかしいくらいに体には異変を感じないんだもの。


すっと流れるような瞳に、長いまつげ。
私よりも頭一つ分以上大きい身長。
長い髪の毛もセクシーだとしか言いようがない。



くくられたその髪の毛をほどけばきっと彼は髪の毛を掻き上げるだろう。それを想像するだけでなんかすごいいけないことを想像しているみたいな気分になった。


……私変態だ。知っていたけど。
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