授けられた力・消えた記憶
銃声が響きわたった部屋。
そこにルイがいた。
隠れていた満月が、危険が消えた事に気づいたのか、顔を出し、辺りを照らす…
その光は、この暗闇の部屋にも光を導く…
ルイは灰になった悪魔を見つめ、言った。
「バカな人間…それだけは訂正しておけよ。」
そこにいた悪魔は全て倒した。
これでルイのやるべき事は終わった。
そう思っていた。が…
暗闇の中を光で照らす窓辺。
そこには、誰もいなかったはず…
だが、今、何者かがそこに立っていた…
「君は……」
そこにいたのは、見覚えのある顔…
月の光に照らされた、その人物の顔…
青白い…この顔は…
「確か、今朝会った……」
「はい。」
そう、そこにいたのは、今朝ルイに話かけてきたあの女性…
「どうしてこんな所に?」
「それは…」
「それは?」
女性はルイに微笑みかけ、言った
「私は……悪魔だからです。」
「!!」
その微笑みは、光に照らされ、不気味だった…
「…敵って事か…」
「そうなりますね。」
そう言って、彼女は攻撃態勢をとる。
「ここから先へは行かせません。」
顔を出していた満月が、危険を察知したように、再び暑い雲で姿を隠す…
そして、戦いが始まった…