授けられた力・消えた記憶
●記憶の鍵
数分後、4人は城の外にいた。
旅立つ準備を終え、サキに別れを言う為だ。
サキの顔は、会ったときとどことなく違っているように見える。
何というか…悲しみが消えたような…
「…みなさん…みなさんにはとても迷惑をおかけして…これからのお旅、お気をつけて…」
「あぁ。サキも頑張れよ。」
サキは心配そうに言う。
それにルイも言葉を返す。
励ますように
「はい…あの、これ…」
サキはカリンに近づき、何かを握りしめさせた。
「?これは…?」
「あなたが持っていた方が、いいと思うんです。」
「私…が?」
首を傾げるカリン。
「はい。きっと、真実はわかりますわ。」
サキは優しく微笑んだ。
「えっ!?」
何かを知っているような物言い…
カリンはサキの顔を見つめる。
「それでは…」
カリンは何か聞きたそうだったが、サキは4人に頭を下げたので、それを言い出せなかった。
そして4人もサキに頭を下げ、森へと歩いて行った。
砂漠へと続くその森へと…
その後ろ姿をサキは見つめるのだった。
ずっとずっと…姿が見えなくなるまで…