ちゆまど―世界は全て君のために―
「ところで、ユーリ。そなたはまだシブリールと離れる気でおるのかえ?」
食事する手を止める。
「いえ、もうぜんぜん」
「裏声使って嘘をつかないように!」
私の声真似をするシブリールさんをつつく。
改めてラグナロク様を見た。
「はい、離れたいです」
「そうか……。余も考えたのだがな、いくら旅をしても、この世界にはそなたらをすぐに離す魔術は存在しななんだ」
「そんな……。ラグナロク様のお力でもなんとかなりませんか」
「いくら余が完璧と言えど、万能ではない。ほとんどの事柄では100%の結果を引き出してやることはできるが、そなたらは特異点。奇跡をなかったことにするのは無理が入る。2%の確率で失敗するだろうな」