晴れ空男子
「俺のことは親父だと思っていいよ」


「…はい?」






 親父……。





 俺の中にはずっといなかった存在でよくその役割がわからない。






 物心がつく前にはもういなかった親父たち。





「優枝のことも母親だと思っていいから」

「…なんでそんなに親切にしてくれるんスか?」




 

 ここまで他人に親切にする必要なんて金持ちだからとか関係なくありえねぇと思う。





「困ってるときはお互い様。それにな、空君の目は笑っているようで笑ってねぇ。会った瞬間、俺が救ってやりてぇと思った。夢も希望もない息子を放っておくわけにはいかない」






 …息子……。






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