私の王子様
第一章
私はきっと、あの王子様に会える。
「美咲ちゃん。大人になったら、結婚しようね」
「んっ…。」
またあの夢を見てしまった。
私は昔、会ったあの男の子の事を一筋に思いながら生きてきた。
私は、今年の春から高校、一年生になる。
高校に入って、あの王子様に会いたいなぁー。
「小学校・中学校も同じ事を言っていたけど、一度も会えてないよなぁー。」
独り言を言いながら、学校に行く準備をしていた。

改めまして、私、奥村美咲は緑山高校一年生になる。
私は、大親友の桃倉千春と同じ高校に行きたくて、猛勉強した。
千春が頭良いから、私も頑張った。
「おっはよー!!」
私は元気な声で目の前にいる、大親友千春に、声を書けた。
そしたら、
「おはよう」
だって。
どんだけ、元気ないんだよって言いたいけど、これが千春の性格だから仕方ない。
千春とは、中学校からの付き合い。
「千春ー、同じクラスになれると良いねー。」
「美咲はうるさいから、同じクラスじゃなくても良い。」
千春はこんな冷たいことを言っているけど、実際は超ー優しい。
いざとなったら、絶対助けてくれる。
だから私は、千春と、友達でいられるのかもしれない。
いつの間にか、学校が近くにあった。
まず、最初にクラスが何組かを見なくては、ならない。
けど…身長が小さくて見えない。私は、149cmで…千春は、165cm!!
だから、私は千春と並んでると小学生に見える。
「みえなーい」
私が困っていると、千春が…
「私と千春は同じ暮らすの、2組だって。」
千春が教えてくれた。
「やった――」
私は今、すごく嬉しい。
死んでも良いくらいだ。
「キャ―――!!」
んっ…なんだ?
後ろを振り向くと、女の子達が円になって、誰かを囲んでいる。
「うぅ~顔が見えない。」
身長が低いから、頑張って背伸びして見ようと思ったその時…。
誰かに押されて、円の中に入ってしまった。
転びそうになったその時、誰かに体を支えられた。
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