【完】風に恋をする。
「”同情だよ”ってそそのかされてっ! それで優しくされて…っ!
何を信じればいいのっ?!」
あたしは、涙を隠すように、両手で自分の顔を覆った。
皆…何も言わない。
もう、呆れられちゃったかな。
「勘違いすんじゃねぇぞ」
言葉を発したのは…健だった。
見ると、真っ直ぐで真剣な目。
「俺たちはなぁ、”同情”なんかでお前とつき合ってるわけじゃねぇ!!!
お前が好きだから一緒にいんだよ!!!」
「…」
『風花、お前が思っている以上に、
皆はお前が好きだよ』
昨日の…部長の言葉を思い出す。