【完】風に恋をする。
校庭に戻れば、ちょうど練習が始まろうとしていた。
「風花! どこ行ってたの?!」
「ちょっと、散歩に…」
「もぅ! 一言言ってよね! 風馬が探しに行ってくれたから良かったけど」
ぇ…。
探しに、きてくれたの…??
あたしは風馬に目を移す。
風馬は、リレーのメンバーと何か話をしていた。
胸が、ギュゥッてなる。
心臓の音が止まない。
あたしは…知らない。
このときから、
あたしの時限爆弾が、
動いていたなんて──…。