私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~
何かから逃げているのか、それとも、何かに向かって走っているのかさえわからない。

ただ、足を止めたときが、自分の人生が終わるときだという認識だけがあった。



いつの間にか、マンションの立ち並ぶ街へと足を踏み入れていた。

あたりはしんと静まり返り、さきほどまでの喧騒はすっかり姿を消している。



坂道にさしかかり、足が上がらなくなった私は膝をついた。


「もう……だめ……」


あえぐように言葉を発すると、前を走っていた女性も脚をとめた。


この人も相当苦しかったのだろう。気道を通る空気の音が、その苦しさを物語っている。
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