雨のち雨


初夏


蝉がなき始める。

空気は熱気を帯びてあたしたちに襲いかかる。くらくらしてしまうようなそれに自分が立っていることすら忘れそうになることもしばしば。

「あっつ…」
「柚子はそればっか」

あたしに呆れ声でつっこむのは親友の亜季。栗色に光るゆるいウェーブのロングヘアーはすごくかわいいし、おまけに顔もかなりかわいいからこの子はいつも注目されている。

一方あたしは、黒髪にはっきりしない地味な顔立ち。おしゃれとは無縁の生活をしていた。

「にしてもだるいね」
「まぁ、頑張ろうよ!ね?」

すこし首をかしげて笑う亜季


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