+Black Blood.
「俺はね、小さい頃、捨て子だった空羽と羽牙祢を拾ったの。まだその時は冬で、たまたまゴミ箱に捨てられている2人を見つけたんだ。

そして、親が軍事長だったもんで強制的に軍人になる事を強いられた坊ちゃんだった物で。金には余裕があったんだ。


そのまま放って置けば死ぬし、連れて帰る事にした。ただ育てるなんて詰まらないから、軍人にしようと思ったんだ」



キラリ、と無花果の首に掛かっているネックレスが輝いた。



「この世の中、軍人位でしょ、まともな仕事って。



でも、無花果は女の子だったんだよ。
軍人で女性は珍しくないけど、表に出たら女なんて奴隷扱いだ。モノみたいに扱われて、最後に死ぬだけ。


それは嫌だったから、この子を男の子として育てた」



「・・・・・・・・・・・・・・・」


「君もそう思うだろ?男に生まれて良かった、って。


けどもう、隠し通せない。空羽も年頃だし、成長してるし。」



無花果が、虚ろな目で仁叉を睨み上げた。


「もう、期限切れなんだよ。

仕方無いだろ?もう、軍の狗なんだから」


「だったら、無花果を最後まで責任持って女として育てりゃイイ話じゃねぇかよ。そりゃお前のせいだ」


「・・・・・君は、知らないの?国会軍事会の恐ろしさを。


・・・・・・・あ、自己紹介まだだ。
俺は、此処軍事会の頂点だ。日本の戦争、内戦に全て関わっている。

国会軍事長、源 仁叉(みなもとじんざ)。一先ず、よろしく」


抱ええこんだ無花果の体の下から握手を求める手が伸びてくる。
ソレを、払い除けるゼロ。


「・・・・・・・・・そんな警戒しないでよ」

「俺は、お前と関わるつもりは無い。無花果を返して貰いに来た。」

「だからさぁ・・・・・・・・・・。

本当こう言うタイプの男苦手」


溜め息をついて、差し出した手を戻す仁叉。




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