+Black Blood.
情事が終ると、彼女は毎日のように聞いてくることがある。
「ねぇ・・・・・・あれから、どれ位経ったの・・・・・・?教えて、・・・・・・・」
目尻に流れる涙を拭いながら、龍は答えた。
「さぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いつも、それじゃん。私は何でここに居るの?」
「仁叉が帰ってこねぇからじゃない?」
(いつも、曖昧で誤魔化される)
少し不機嫌になった彼女は一緒に寝ていた彼からそっぽを向く。
「そーらさん?」
振り向けば、苦笑している龍。
彼は、性格の割りには中々繊細な顔だと空羽は思った。
「・・・・・・・外に、あれから出てない・・」
閉められたカーテンをじっと見る。
「だな。まぁ、外に出ないほうが身の為だと思うけど」
蹲っている空羽を抱え上げ、自分の膝に乗せた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
彼が寝始める体勢になると、空羽少し眉を寄せその場を去ろうとする。
「・・・お、やすみ。」
彼は、最高に寝相が悪い。職業は何か教えてくれないが、相当ハードな物らしく仕事から帰ってきたら即爆睡だ。
ただ単に、彼の睡眠時間が長いだけなのかもしれないが。
空羽はまたあのソファに座り込んだ。
「・・・・・・・・・・・・、」
早速イビキをかいて眠りにつく龍を横目で見遣り、真っ白な天井を見上げる。
(一生、外に出られないのかな)
思い出すのは、2年前。