+Black Blood.
チラ、と隣を見る。


「今日は珍しく起きてんじゃんゼロくん」


「爽快な朝。」



黒いかたまりがのそのそ喋ってる所を見ると、なんら変わりは無いようだと思い、少し安心する無花果。



「んじゃあ7号が終わったら無花果のお兄ちゃんの所に行ってこよ」



ガチャン、と荒々しく食膳を置き、さっさと隣の牢に移るロイ。




「エグ・・・・・・・・・。」


その光景を、苦々しい顔で見ている零。



(兄さんが此処に居るのか・・・・・・)



ぼーっとする頭を振り切って、正面を見た。


まだ相部屋の相手が居ないようだ。



「零、一桁の囚人って何人居るんだ?」


「0、6、7、8、9・・・・今5人ってとこか?」


「抜けてんなあ。1とか2のヤツは居ねぇのか?」


「居たよ。死刑になった奴とか病気で居なくなった。」


「へえ・・・・・」




(此処から脱獄はできねぇか・・・・流石中央収容所)



「今脱獄できねぇなって考えただろ。」

「ああ。」

「此処は見張りが他と違うんだよ。あのじじぃのおかげで」

「昨日の・・・・・あの髭?」

「アイツ結構やるんだよなぁ」



ばく、と零が朝食のパンに食い付く。


それを見て、無花果も飲み物に手を伸ばした。




「まあしばらくは此処で休んでる、俺。」


「俺もそうする・・・・。


外は疲れる・・・・・・・・。」








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