+Black Blood.
「お前の兄貴、今日からエイトな。

8号だけに」


「8?何でエイトなんだ?」


「英語って知ってるか?ソレ。8は‘eight’って言うんだぜ」


「・・・・・・・・知らねぇ」


零は、チラリと無花果を見た。


「・・・・・?」


すると、無花果は輝きを持った瞳で零を見上げている。



「えいご・・・・・・?お前、そんなの知ってんのか。聞かせろ!」


飲もうとしていた飲み物を荒々しく置いて、身を乗り出す。



「はぁあ?何その食い付き・・・・お前、学校で習わなかったのかあ?」


「学校?しらねぇ、ンなもの。」


「・・・・・・・・まあこの時代で学校行ってねぇ奴なんて沢山居るか。」



ガブ、とパンに噛み付いた。




「今使ってる言葉は、日本語。んで、違う国が使ってるのは英語。ザックリしすぎか。」


食べながら、口を動かす聞き辛い言葉にも無花果は耳を傾けた。



「んじゃあ、違う国ってとこに行くには英語さえやってれば喋れるのか?」


「違ぇよ。他の国行ったら山ほど言葉なんてあるさ。

英語は、少し使う国が多いくらい」


「へぇ」



置いた飲み物に手をつける無花果。



「外って色んな事があんなー・・・・・・」


「こないだまで自由の身だったじゃねぇか。言葉の一つや二つは知ってるかと思っていたぜ」


「何も教えられねぇよ。」



ず、と野菜ジュースらしい味のジュースを飲む。



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