+Black Blood.

使用人が居なくなった所で、手に付いたチョコを舐めながら、ロビーのソファに腰を下ろす無花果。



「あんさ、無花果。」

「あ?」

「1-4地区って覚えてねぇか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」


ピタ、と無花果の動きが止まった。



「・・・・・・・・・・覚えてる」


そして、ゼロを見上げた。



「お前が何考えてんのか、解かる」


「そうか。」


「1-4地区は、俺とエイトで潰した地区だ」



カツ、と少し動いた零の靴音が響いた。




「男も、女も、子供も。家も、焼き払った」




周りから流れてくる甘い香りが鼻をついた。



ゼロは、無花果をしっかり見ている。


が、突然無花果が声を上げた。

「!ゼロ、後ろ!!!!!」

「?!」


瞬時に振り返ったゼロ。



ガチャ、



「!!!!!!!!!!」

「ぜ、・・・・・・」


「後ろがガバ開きだぜ、番犬さん」





振り返ったゼロの胸に当てられた、銃口。






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