＋Black Blood.

「なあ、お前らは何者だ？


どうせ殺られるんなら教えてくれ。
スパイか？」


（ここは話で気を逸らす）


「おおぅっと？！敗北を認めるかぁ？」

「あぁ。勝ち目は無ぇだろ？」

「何か気分イイぜ！！」


収容所にいたロクに似てる、と思いながら、無花果は続けた。


「俺らはな、依頼人に頼まれて仕事するスパイだ！

依頼人が頼んだ相手の所に潜り込み、情報を聞き出すのさ」


（潜り込みっつーか殴り込みだろ･･･


よし･･･準備万全）



ジャキッ！


「お？」

「手を離せ」



無花果は、脚に隠し持っていた拳銃を構えた。



「これで形勢は同じだ。


どっちが先に引き金を引く？」


「そんな顔して汚ェなあ･･･」



と、男が足を離した。


（責める、）


「！！！オイ、」


バァン！バン、バン、バアン！！


連射する無花果。
それに逃げるかのように、横へと移動する男。


「ウワッ！！そんないっきなり･･！！ちょ、」


バンバンバンバン！！


自棄なのか、言葉を無視するかのように撃ち続ける。


（弾）


弾切れを予想し、今度は腕に隠していた弾丸を引き抜いた。