ピンクの落書き
「ねぇ…」
また、現実から逃げる。
「キス…しよう?」
しっかり拓海の目を見て言えたのに、そんな言葉。
「はぁ?何冗談言ってるんだっつーの」
呆れてそっぽを向く拓海。
「冗談じゃない!」
うちは、拓海の肩を掴み無理やり唇をつけた。
「バッカ!お前…そんなことしたら」
「もういいの」
「そんなことしたら……お前が悪いんだからな」
その言葉を残し、唇を押し当てる。
何度も何度も…
中学2年の男子なんて、しかも拓海なんて、歯止めがきかなくなるだろう。
颯の顔を忘れるくらいに、拓海の顔に唇を…
拓海は慣れた手付きで、シャツを脱がす。
最低な行為をした中学2年…。
また道を踏み外してしまった。
真下の教室から、クラスメイト達の下手な歌声が聞こえてくる。