晴れ時々@先生の妹【第1巻】
“一夜を共に”って、意味を分かって二戸は使っているんだろうか。
愛する男女が深い仲になる事……。
生物学的に言えば、俺と二戸は“男”と“女”だ。
だけど、二人の間にそんな深い“愛”と呼べる物は、ない!!
むしろ、“教師と生徒”という境界線があるわけだが、いきなり二戸は何を言い出すんだ。
――越えられる、わけがないだろう……。
二人がベッドの布団の中で仲睦まじく向かい合って笑い合い、手を取り合う姿を想像するだけで何か喉の奥が…、酷くつかえる感じがする。
「わりぃ、二戸と一夜は俺共に出来ない――!」
あっさりと断りの返事をした中村先生。
瞳をウルウルと潤ませながら、しょぼんとする二戸 梨杏。
「そんなぁ……」
「俺、玄関のブレーカーの調子を見てくるから」