鈴の音が響く頃

「姫さま、楓さまとなんのお話をされてたんです?」


屈託のない瞳で私を見上げる

手を伸ばし、美しい
黄緑色の髪を撫でる


「お願いを、されたのですよ」


「お願い?!?!」


『ぅ……』


縁がすっとんきょうな声をあげ、跳ね上がった


「地主神ともあろうお方が、人間にお願いを…!!!」


あわあわあわ と
落ち着きなく私と楓を見返している


「私しか、叶えられないそうよ」

「は、はあ……」

『…なんだ、不満か?』


ジロリと縁を睨む

でも、顔はほのかに赤く、相当照れている


「不満とかではなく…い、一体どんなお願いを?!?!」

『言わぬ』


「えええぇー?!?!?!?!?!」


「うふふ」

縁をかわし続ける楓と、
楓に詰め寄る縁が面白くて笑ってしまう



『あぁもう…うるさい!!私は帰る!!!鈴姫、明日よろしく頼むぞ!!!!』

「はーい。かしこまりましたっ」

「ああ、楓さまっ…」


フワリと風が吹くと、一瞬にして姿が見えなくなる



「…盗み聞きは感心しませんよ。…蒼(あおい)」

「見つかっちゃったか」


私の背後で


ピチョン…

と水の跳ねる音がする


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