死神アリス
―――――だが、しかし。
それはただの都市伝説ではなかった。

『謎の惨殺事件』
『謎の怪死事件』
これらには全て、共通点があった。

その殺された人は全員、人の原形を留めておらず、まるで生きたまま鋭い刃物で何回も、何回も何回も潰したような、…想像するだけでも悍ましい、そんな殺され方をされていた。

「死神アリスの噂をあまりするものではない。もし本当に死神アリスがいて、それを見たとしても、決してその事を口外してはいけない。」
と言うのを、聞いた事がある。
……実はこの話は、本当である。
路上で「俺は“アリス”を見た! あの“死神アリス”だ!本当に見たんだ!」と人々に半ば叫びながら威張っていた男性や、「私は“死神アリス”に助けてもらった…。私は…そのお陰でアイツを…」と話していた穏やかそうな女性も、全て、全て…。
惨たらしい殺し方で、殺されていたからだ。

これは…一体誰の仕業なのだろうか?
本当に“死神アリス”?
それとも――ただの“ニンゲン”?
しかし、未だにその犯人が見つかっていないところを見ると、もしかしたら本当に“死神アリス”は存在するのかもしれない。
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