恋がはじまるよ
 結衣は、椅子にすわってメロンパンをかじりながら、携帯でメールを打ち始めた。

 あて先は、母親。

 本当は昨日のうちに連絡をしたかったのだが、あれから泣き疲れて眠ってしまったので、それどころではなかった。

 きっと、今頃心配しているに違いない。

『結衣です。('-'*)オハヨ♪ 昨日は疲れて、ぐっすり寝ちゃった! 元気だから、心配しないでね。 じゃあ、学校行ってくるよ(^▽^)/』

 伝えたいことは他にもあったが、結衣はわざとそんな短いメールを打った。

 今は、家のことでいろいろ忙しいのだから、自分のことで両親に心配をかけたくない。

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