AKANE
その質問に対して、クリストフは目だけで「まあ、いろいろとね」とでも返すように合図する。
「何せ、貴方が言うにはわたしは“詐欺師”ですから、まあ死んだ振りでもして遺体として牢を抜け出すなんてことは可能でしょうがね。その後はこの通り、ゴーディア兵の扮装をして進軍兵として紛れ込んだだけのこと」
肩をすくめ、クリストフは言った。
「くそっ、ボリスめ・・・! あの使えない馬鹿めが・・・!」
悔しそうに拳を握り締め、ヘロルドはその手をぶるぶると震わせている。
「ボリス・・・!?」
はっとして朱音は自らの口を両手で押さえた。
“ボリス”という男は、朱音がクリストフが反対するのも聞かずに仲間に加えたトカゲのような男であった。ヘロルドの一言で、 大体の成り行きを知ってしまった朱音は、青くなってクリストフの落ち着いた横顔を見つめた。朱音の考えが正しければ、やはりボリスは信用ならない男だったということだ。
そして、そんな男を仲間に加えてしまった朱音は、この心優しき紳士をとんでもない危機へと陥れてしまったことになる。そう、その全ては朱音が招いたことだったのだ。
「アカネさん、貴女のせいではないんですよ。責任感の強い貴女のことです、きっと自分を責めているんでしょうけれど・・・、奴に捕まったのも、全てはわたし自身の失態です。ボリスを信用しすぎていたのは、このわたしなんですから」
まるで、朱音の心を読んだかのようなクリストフの言葉に、朱音は言葉を失った。
この人の帰りを、朱音はどれだけ待っていたか。これだけ長い間自分の元に戻らなかったクリストフを、朱音は一度だって敵かもしれないと疑ったことなどない。彼は、数少ない朱音のよき理解者であり、友であった。
「何せ、貴方が言うにはわたしは“詐欺師”ですから、まあ死んだ振りでもして遺体として牢を抜け出すなんてことは可能でしょうがね。その後はこの通り、ゴーディア兵の扮装をして進軍兵として紛れ込んだだけのこと」
肩をすくめ、クリストフは言った。
「くそっ、ボリスめ・・・! あの使えない馬鹿めが・・・!」
悔しそうに拳を握り締め、ヘロルドはその手をぶるぶると震わせている。
「ボリス・・・!?」
はっとして朱音は自らの口を両手で押さえた。
“ボリス”という男は、朱音がクリストフが反対するのも聞かずに仲間に加えたトカゲのような男であった。ヘロルドの一言で、 大体の成り行きを知ってしまった朱音は、青くなってクリストフの落ち着いた横顔を見つめた。朱音の考えが正しければ、やはりボリスは信用ならない男だったということだ。
そして、そんな男を仲間に加えてしまった朱音は、この心優しき紳士をとんでもない危機へと陥れてしまったことになる。そう、その全ては朱音が招いたことだったのだ。
「アカネさん、貴女のせいではないんですよ。責任感の強い貴女のことです、きっと自分を責めているんでしょうけれど・・・、奴に捕まったのも、全てはわたし自身の失態です。ボリスを信用しすぎていたのは、このわたしなんですから」
まるで、朱音の心を読んだかのようなクリストフの言葉に、朱音は言葉を失った。
この人の帰りを、朱音はどれだけ待っていたか。これだけ長い間自分の元に戻らなかったクリストフを、朱音は一度だって敵かもしれないと疑ったことなどない。彼は、数少ない朱音のよき理解者であり、友であった。