AKANE
 スキュラと赤い竜も傷を負い、いつの間にか地上へと降り立っていた。それを守るように、見覚えのある薄い膜が張り巡らされていた。
(結界か)
 いまや、その結界がマブからの襲撃をなんとか凌いでいるようだ。
「アザエル、僕の大切な友人達を死なせないで! ここは僕がなんとかするから、あなたは彼らを!」
 ルシファーがぶわりと風を巻き起こし、自らもクロウを追い、宙へと舞い上がった。クロウは、振り切られた鎌をソードの柄で受け止め、再びバチバチと音を出す電流の玉を放つ。
「陛下のお心のままに」
 アザエルは駆け出した。マブの大軍の中へと・・・。



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