〇●ポーカーフェイス●〇
私はそっとNのネックレスを触った
末永が部屋を出てから間もなく、部屋のドアが開いた
私はさっと頬に着いた滴を払い、そのまま天井を見つめた
「ホテルの奴から電話があってね」
桜山さんはネクタイを緩めながらソファに荷物を置いた
「今男子高生とすれ違ったよ。結愛の恋人かい?」
「まさか。急に雨が降ってきてここに連れてきた。ただのクラスメイト」
「とても整った顔立ちの青年だ。結愛と並んだら絵になりそうだな。彼のことが好きなのかな?」
「ありえない。」
「ありえなくないな。ただのクラスメイトだったらこんなところ連れてこない。ほっておいて一人で来るだろう」
「ただ話が終わってなかったから。それだけ」
「クラスメイトならいつだって話せる。」
私は苦笑いをした
「やめてくれる?恋人も好きな人も私には必要ない。お金を持っていない男なんて価値がないわ。間違ってる?」
私は桜山さんのほうに目線を向けた
桜山さんは優しく微笑み
「そうだな。」
と、それだけ言った
私はまた天井を見上げ、沈黙を続けた