〇●ポーカーフェイス●〇
私はふいにぼそっと呟いた
「桜山さん、私って汚い?」
そんな言葉に驚いた表情を見せ、私のすぐ隣に腰かけた
「自分ではどう思うんだい?」
私は目を瞑り、呼吸を感じた
「春に会ったばかりの奴に言われるくらいだから、自分でわかってるに決まってるでしょ。汚いよ。」
「でも、、これが私でしょ?」
桜山さんは私の髪の毛をそっと撫で、悲しそうな顔をした
「そうだな。でもヒトは変われる。それもお前が一番わかってるんじゃないか?こんなにも二年、三年前でお前は変わった。いや、変わらないと生きていけなかった。違うかな?」
「これが私の選んだ道」
「でも今から、引き返すこともできる。あるいは、また違った道を選ぶこともできる」
「でも、戻れないものもある」
そう呟くとまた沈黙は流れ、桜山さんはお札を何枚か私の隣に置いて、部屋を出て行った
また部屋は静まり返り、私は顔の横に置かれた札束をぐちゃっと握り目を閉じた
戻れないものもある
戻りたくても戻したくても
戻れないもの
壊れてしまって直せないものもある
友情も愛情も家族も居場所も
全部捨ててきたのだから