〇●ポーカーフェイス●〇
俺は立ち上がり東城に背を向けた
「えっと、さっきは少し言い過ぎた…。教室のことと、あのホテルのこと…」
言い終えた後に東城を見ると相変わらず無表情のまま何処かを見ていた
「別に…。それもいつものこと。汚いとかそんな言葉言われなれた。何も感じない」
そう言いながらも何だか寂しそうな瞳
俺は東城に近寄りもう一度目を覗き込んだ
「お前、何考えてるの?どうしてあんなことしてるんだよ。何でそんなにお金が必要なんだよ。いつからそんな風になっちゃたんだよ」
東城は俺から目を反らし、俺から離れた
「意味わかんない。汚いって言ったり嫌いって言ったり飽きたって言ったり。なのに私のこと知りたがる」
「ああ、知りたいよ。お前のこともっと知りたいんだよ。お前の笑った顔も喜んだ顔も怒った顔も見たいんだよ。篠原も俊介も俺も」
東城は俺に背を向けたままゆっくり歩く
「誰にも話すつもりもないし、私に感情も表情もない。」
それだけ言って屋上から出て行った
俺は一人残り、屋上から校庭を眺めた