heart to heart2 キセキのつづき
小児病棟に行くと、懐かしい。

ここで何年生活したんだろう?

物心ついてから、安定して高校に通えるようになるまで、ずっと。


「柚希ちゃん!」

「…あ、れ?佐伯さん?」

「会いたかった~!」


懐かしい声に振り向くと、昔担当してくれてた看護師の佐伯さん。

いつの間にか“主任さん”になってる。


「大手術、ちゃーんと乗り越えたって聞いて、ずっと会いたかったの。偉かったね」


佐伯さんにとっての私は、いつまでも子供のままらしい。

抱きしめて“よしよし”って。

もう、けっこう年とってますけど。


「柚希ちゃんは、希望の星だよ」

「きぼうのほし?」

「だって、あの子たちにとっては、理想的な前例になるんだもん」
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