マザーレスチルドレン
この複雑な九十九折を抜ければ、あとは緩やかなカーブが続き、


その先にマザーレスチルドレンのアジトがあるはずだった。


最後の急カーブに差し掛かったとき突然ヘッドライトの


光のに中に一人の男の影が現れた。


ヒトミは思い切りブレーキペダルを踏みつけた。


───なんでこんな所に人が立ってるのよ!


車は制御不能になり大きくスピンすると道路脇の


立ち木に激突して止まった。


モーターはシュンシュン音を立ててと回り続けあたりは白煙に包まれた。


運転席でコイルの焼ける臭いを嗅ぎながらヒトミは気を失った。
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