マザーレスチルドレン
「大丈夫か、ひどく殴られたな」


マスターは、優しくハルトの手錠を外しながらいった。


「……」ハルトは興奮から醒め放心状態である。


金髪は、完全に気を失ってる様子で、それははまだ幼い子供の


寝顔のようであった。


マスターは金髪の腰からダガーナイフのケースを剥ぎ取って


落ちていたナイフを収めると自分のベルトに装着した。


金髪の両手両足を手錠で拘束して再度ポケットを探ると


この施設の元の所有者だった教団の経典が出てきた。


「例の殺人教団の経典じゃねえか、そういえばさっきグルがどうしたとか、


ポアするだとか言ってたな」


「こいつ、これ読んで洗脳されちまったのかな……」


パラパラと経典をめくりながらマスターはいった。


「ってことは、ここは高和山の中腹か……」


その時突然ハルトが頭を押さえてしゃがみこんだ。
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