マザーレスチルドレン

政府当局による規制

だめです支局長! 臓器売買児童誘拐関連の記事は全て消されてます!」


ヒトミがデスクの椅子を跳ね飛ばして立ちあがった。


ネオシティ第五自治区の雑居ビル内にある独立系ニュース通信社


『インディペンデンス通信社南青支局』のオフィス。


午後十時五分、支局長のキタニと女性記者のヒトミが残って


明日のネットニュースに使う資料の整理を行っていた。


「またか……」


支局長のキタニは飲みかけのコーヒーの紙コップを握りつぶして


ゴミ箱に放り込んだ。


飲み残しのコーヒーが辺りに飛び散った。


デスク上のキーボードがコーヒーで濡れてしまい、


コンピューターに接続されたスピーカーからけたたましい


ビープ音が鳴り出した。
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