華と…
張り詰めた空気を、一気に吹き飛ばしたのは雄蔵お父さんの大きな声だった。
「誠にすいませんだったべ。
いっぺ早く、華さんどご東京に帰すべきとは、重々承知しておりやしたが、ついつい長引かせてしまいだだったと。
親御さんには、あだりめにご心配どごおかけいたしてだす」
次の瞬間、雄蔵お父さんは頭を畳に擦り付けんばかりに深く下げ、わたしの両親に向けて土下座した。
その潔い後姿に、わたしは感動さえ覚えた。
――お父さん……