武闘派
危機一髪
「田代千穂ちゃんいる?」

最近いつもに増して呼び出しがかかるな…。

そう思いながら、声のした方を見る。

「あ、いた。」

そういって満面の笑みを浮かべて私に手を振って来たのは、いろいろと噂の断たない3年の篠塚先輩。

なんか最近学校の有名人に呼び出されることが多いな…。

相手が男か女かで、だいたい理由が分かる。

うーん。

そっとしておいて欲しいよ…。

「今ちょっといい?」

気がつくと先輩は私の席の前までやってきていた。

「え、今ご飯を…」

先輩は突然、お弁当箱を広げている私の腕を取り、歩き出した。

「ちょっと、あの…!」

「良いから、ついて来て。」

逆らうのも面倒になって、腕を引っ張られたまま先輩についていく。
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