武闘派
キーンコーンカ-ンコーン

お昼休みが終わるチャイムが鳴る。

「あ、戻らなきゃ!」

私は鼻声のまま言う。

「まだ涙も鼻水も出たまんまなのに?」

「ちょっ…!」

いくらなんでも女の子に向かってそんな言い方しなくても!

「サボろう。」

真面目なやっちゃんの口からまさか"サボる"なんて言われると思わなかった。

「俺も何か体力消耗しちゃったし。」

そう言って、やっちゃんは非常口へと向かった。

私もやっちゃんの後に続いて、非常階段を上る。

「こんな風にサボるの初めてだな。」

ドラマみたいな今の自分の状況に、泣いていたのに笑ってしまう。

「こういうのも新鮮だよな。」
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