武闘派
愛の告白
図書室を出て、ふと思い出す。

さっきのムービー、もしかして…。

急いで携帯を開くと、

"送信完了"の文字が躍っていた。

はぁ…

またやっちゃんに心配かけちゃうな…。

そう思った瞬間、走っていた脚から力が抜けて、その場に座り込んでしまう。

もう、なんかどうでも良いかも。

パタパタ

誰かが走ってくる音が聞こえて、体に力が入る。

誰だろう。

加山先輩?

篠塚先輩?

それとも取り巻きの女の子?

「…千穂!千穂ー!」

やっちゃんの声には、私の涙を引き出す成分でも含まれているのかな。
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